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訪日外国人向けにビルを簡易ホテルに改修する事例が、日経MJで取り上げられていました。
お金に余裕のない20代の訪日外国人にとって宿泊費を安く抑えることは旅の基本だ。若年層を狙って、中古のビルをリノベーション(小規模改修)した割安な 宿泊施設が各地に相次ぎ誕生し、にぎわっている。いずれも共有スペースやカフェを充実させ、宿泊部屋が狭くても快適に過ごせる工夫を凝らす。リピーターと なる可能性の高い若年層を巡る動きを追った。(2015年5月22日付 日経MJ)
若者は、世界どこでもお金がないもの。それは、訪日外国人でも同じ。だから、ユースホステルのような低価格の簡易宿泊施設が人気なのです。マスコミによると、カプセルホテルも人気とか。(カプセルホテルは、海外にはないその形態が珍しがられているようです)しかし、簡易宿泊施設は、単に安いから人気ではないようです。宿泊者同士が交流できるスペースがあることが、支持されているようです。そう言えば、私もバックパッカー(クレジットカードを持つなんちゃってですが)の時、個室のホテルよりも複数でシェアするユースホステルが好きでした。それは、友達ができるから。若い訪日外国人には、交流ニーズがとても強いことがわかります。
この交流ニーズ、外国人だけではなく、日本人でも意外に強いのではないでしょうか。そう考える根拠は、以下の通り。
【日本でも交流ニーズが強いと考える理由】
- 新たな出会いが期待できる街コンが全国に普及
- LINEなどSNSユーザーの拡大
- 人付き合いが少ない高齢者に催眠商法被害が広がっているから(2015年5月22日の日経新聞朝刊)
- 20代の映画館利用動機は、家族・友人・恋人と一緒に楽しみたいから(映画が見たいのではない)
そしてこの交流ニーズ、意外にも企業業績・施策に大きな影響を及ぼしているのではないでしょうか。
【交流ニーズの企業業績・施策への影響】
- 店員との会話が楽しめるクッキングサポートを設置したスーパーの業績はいい(ヤオコー)
- SC出店のアパレル店の価格競争激化は、店員の接客能力低下が要因ではないか?(SC出店を積極的に進めたワールド、店舗・ブランドの大幅リストラ)
- 百貨店業績の向上は、接客を通じた店員とのコミュニケーションが再評価されたから?
- ビールメーカーが期間限定ブランドショップを開くのは、店内での楽しい交流を通じて、ブランドに好印象を持って欲しいから?
- マクドナルドの客数減が続くのは、店員の接客能力が落ちたから?
- イオンがタブレットを使ってネット通販商品の販売を実店舗で行うのは、来店客との接触・交流をするきっかけが欲しいから?
交流ニーズの強さを考えるようになったのは、日経朝刊で連載されている「希望の役割」を読んだから。その連載曰く、友人が少ないほど希望を持ちにくいそうです。特に、「ウィークタイズ(緩い絆)」が重要で、異なる場所で生活していることが多いけれど、自分とは違う情報を持っているので、新鮮な発券・気付きをもたらしてくれ、それが希望につながるとか。だからこそ、普段会えない人との交流を促すSNSが人気を博したのではないかと、思うのです。SNSを通じて希望が持てたなら、更に利用頻度を高めるでしょう。これを見越してサービスを始めていたとしたら、ザッカーバーグさん、スゴイ。
何はともあれ、モノが溢れ、スマホから情報が洪水のように溢れる今、交流ニーズにこそ消費者は惜しまずお金を支払うのではないでしょうか。国内旅行人気も、海外旅行よりも手軽・安全に家族・友人との交流を図れるという理屈で理解できますね。
☆今日のまとめ☆
交流ニーズに対応できるかどうかで、企業業績に大きな違いが出るのではないか。
交流にこそ、人はお金を払う。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
交流ニーズなんて、当たり前と言えば当たり前。
しかし、これに対応するのは、面倒ですし、コストも掛かる。
だから、昔の良き時代(モノを作って安くすれば売れていた時代)を知っている人なら、そんな面倒で儲からないことしないはず。
非販売売場を拡充した梅田阪急も、企画を実施することで、人の交流を図り、来店頻度・ブランドとの接触頻度を高めることに成功したのかもしれません。
まぁ、百貨店の業績の大半は、インバウンド需要を取り込んだことにあると思いますが。
ブログ更新が遅れ、失礼しております。
別に体調悪いわけではありません。絶好調でもないですが。
ネタが無いというよりも、ありすぎてまとめられないというのが現状でしょうか。
もっと発信するぞ。